牛乳を飲んでも骨粗鬆症は防げない
「牛乳は骨を丈夫にする」この説はどこから来たのか調べてみました。
これは昭和28年(1953年)に、兼松重幸氏が発表したデータによるものでした。
方法は、成人男子4人に4日間、牛乳、小魚および菜物を食べてもらい、それぞれのカルシウム吸収率をはかりました。
その結果、牛乳は他の食品に比べて、血中のカルシウム濃度を急激に上げたので、牛乳=骨によい、となったわけです。
牛乳を飲むと血中のカルシウム濃度は確かに急激に上がります。だからといって、「骨によい」につながるわけではありません。
人間は、血液中にカルシウムが11㎎/cc以上になると拒絶反応を起こします。
ですから、体は増えすぎたカルシウム濃度を下げるため、まずはカルシウムを排泄してしまうのです。しかも、その際、他のミネラル成分も一緒にです。それから血中に必要なカルシウムやミネラルを送り込むため、骨を溶かして調整するのです。
急激なカルシウム過剰は、骨のカルシウムを目減りさせ、しかも血中の必要な他のミネラル成分までもが排泄されてしまうという悲惨なおまけつきです。
これを裏付けるのが、2001年にハーバード大学から発表された「牛乳を飲むと骨粗鬆症になる」という論文です。
7万2千人を8年間にわたり追跡調査して得た、膨大なデータに基づいたものでした。世界一の牛乳消費国、アメリカに骨粗鬆症の患者が増大しているのも、理論がわかればうなずける話です。
現在、アメリカでは、牛乳の摂取を1日200cc程度におさえることを指導しているようです。
産婦人科医は妊婦に対しては飲まないように指示しています。カルシウムをとるなら牛乳ではなく、ゆっくり体に吸収されるもの、海藻、小魚や小松菜などがおすすめです。
★簡単健康レシピ★
「小松菜のたらこあえ」
青菜に含まれている鉄分やカルシウムは、たんぱく質と組み合わせると吸収率がアップするので、賢い組合わせです。
小松菜1/2、無着色たらこ1/2、だいこん150g、しょうゆ大さじ1/2、のりの細切り・塩少々
①:小松菜は塩ゆでして冷水にとり、水気を絞ってしょうゆをからめる。
②:たらこは薄皮をとる。大根はおろして水切りし、たらこと混ぜる。
③:①の小松菜の水気を良く絞って4cmの長さに切り、②の衣であえてうつわに盛り、のりを天盛りにする。
(胃腸は語る・食卓編・新谷弘実・尚子著/弘文堂より抜粋)