福田デンタルクリニックブログ

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つながるいのち(1)

人のおっぱいと牛乳について

牛乳は非常にいい飲み物なんですよ、牛の赤ちゃんにとっては。牛の赤ちゃんは生まれてからすぐに歩き出します。体もどんどん大きくなります。体を大きくする上においては、牛のおっぱいというのは非常にいい飲み物ですよ。

ところが牛に限らず、四足の動物は脳に対する重力は体に直角にかかりますから、脳は発達しないのです。

体を大きくするのは牛のおっぱい、頭と心を育てるのは人のおっぱい。

時代劇なんかを見ればわかりますが、自宅でお産が始まるとタライを持ってきて、お父さんが一生懸命お湯を沸かして、お兄さんやお姉さんが産婆さんを呼んできて、自宅でお産する。

赤ちゃんは胎児期から、いろんな音をお腹の中で感知しているのですよ。羊水がありますから、音としてではなく波動として感じている。お母さんの声、お父さんの声、うちの中の物音、全部感じ取っているのです。

お産は非常に大変なものだし、お母さんも大変なのは分かります。でもお母さんの方は、出産がすめばそこで一応一息入れられます。

赤ちゃんは生まれてからが大変なのです。それまで羊水の中で、お母さんと胎盤を通じてお母さんの血液から栄養をもらって育てきました。非常に苦労をして潛り抜けて出た時に、先ず体温を維持していかなくてはならない。お腹から羊水を吐かなくては窒息してしまうから、一生懸命羊水を吐き出さなければいけない。胎便も出さなくちゃいけない。そういう中で、生まれた時に聞こえてくる音が、お腹の中にいたときと同じ音なのか。今そうでないところで生むのが増えていますが、母子同室ならともかく、赤ちゃんとお母さんの声すら聞けません。それまで耳にしたことのないような医者の声や看護士さんの声。しかも病院の音は、

家庭の音と全然違います。生まれた時から、赤ちゃんへの心理影響はどうなるのか。昭和22年に、アメリカは産婆さんを止めさせて、医者と看護婦にお産をやらせようとしました。当然、産婆さんは職場を奪われますから反対します。でも、強引に産婆を助産婦に格下げして、助産士、看護士、保健士にお産をやらせる。そして病院で医者が統括する。それから病院に乳業の専従栄養士を派遣して人工栄養を進めていくことにしたんです。その翌年、日本では昭和23年に全国の保健所で母子手帳を配りました。アメリカで百二十年以上前に乳業会社が営利を目的として作った母子手帳をそのまま翻訳したものを、全国に配ったんです。当時の母子手帳には一番目に付くところに、乳業のコマーシャルがちゃんと入っていたんです。

今の母子手帳に、マクドナルドとかコカコーラが入っているのと同じことをやったんです。日本全国の保健所にいるのは乳業会社の専従栄養士で、乳業のコマーシャルの入った母子手帳。それが今日のような惨状を招いたんです。

この頃、保健所でも、牛乳を飲むと気管支喘息になったり、アトピー性皮膚炎になることがあるから飲ませすぎない方がいいですよ、とくことは言い出しています。そんなことを聞いたことがある人はおられますか。

それはスケープゴートにしているんです。隠さなくてはいけないところを隠すために、喘息やアトピー性皮膚炎をスケープゴートにしているんです。牛乳で一番怖いのは“心”の部分なのです。他の種類の動物の血液ですから。だって、体は大きくなるけれど、頭と心はそだたないんですから。この六十年間をみればわかるでしょう。体が如何に大きくなったか、心や頭が何処かにおちてきたか。心の面が一番大事です。

1927年にアメリカでジョン・ホプキンス大学のマッカクラムとサイモンスという当時の有名な栄養学者が「栄養新知識」という本を書いています。76年前の話です。その本の中には「我々(アメリカ人)は国家的な規模で栄養の実験をしている。それまで誰もがそれでもって生きようと思わなかった食べ物を食べさせられている」と書かれています。それが牛乳であり、乳製品であり、もう一つは白砂糖です。

それを50年後に読んだアレキサンダー・シャオスという犯罪学者が、一つのテストを行いました。執行猶予中の犯罪者を2つのグループに分けて、全く同じ生活をさせました。ただ一つだけ違うのは、片方のグループだけに、牛乳・乳製品・白砂糖をカットしました。

2年後再犯率を調べたところ、牛乳・乳製品・白砂糖を除かなかったグループの再犯率は33.8%。一方、牛乳・乳製品・白砂糖を取り除いたグループは11.7%、約3分の1に減っていました。

心の面が一番大事ですが、体に関して牛乳が一番問題になるのが喘息やアトピー性皮膚炎ではなくて、アテローム性動脈硬化性です。これは、牛乳の中のアテロームが血管の内側にヘドロのようにこびりついてくる病気です。血管がどんどん細くなり、血液の通りが悪くなってしまうのです。脳の血管の通りが悪くなったら脳梗塞ですし、心臓に行く血管が細くなったら心筋梗塞です。色は赤と白の差がありますが、乳管(おっぱいを出す管)が細くなったら、当然おっぱいが出なくなります。年をとってくると段々、動脈硬化を起こしてくる、血管が硬くなって自然と細くなるんです。だから、70歳、80歳になって脳梗塞を起こして決して不思議ではないんですね。

牛乳を飲みだす昭和20年以前にも、脳梗塞はありました。しかし昔は、ほとんどがお年寄りでした。牛乳を飲んでいない、アテロームを摂っていないから、動脈硬化による梗塞が80歳、90歳のお年寄りだけにみられたんです。

昭和20年以降、アメリカはまず保健所を押さえて、教育委員会を押さえたわけです。教育委員会を押さえなければ学校給食に牛乳をいれられないからです。それから大学病院を押さえました。ほとんどの病院が乳業の専従栄養士が来て指導しているのです。下手をすれば退院時に粉ミルクを持たされます。これははっきりとWHOで禁止されているのにその見返りとして、乳業会社が忘年会や旅行の費用を出してくれる。自動車なんかは電話一本で新車に変わってしまう。そういう状態が60年間続いたんです。それに全然歯止めがかかっていないのが現状です。昭和20年から牛乳を飲みだして、当然アテローム硬化が進みますから、発症年齢がどんどん下がってきてしまう。「成人病」というと昔からあると思われている方がおられると思いますけれど、日本人にあった食習慣の食物を摂っていた頃には、成人病などというのはなかったんだということです。

さらに、学校給食に牛乳が入ってくると、どんどん発症年齢が下がってきました。私が診ている一番小さい脳梗塞の子供は小学校1年生で、右半身麻痺を起こしています。

年齢が下がって、「小児成人病」という言葉が一時ありました。昔の年寄りの病気が成人にきて、子供になっちゃったから、1996年に「生活習慣病」という名前に変えましたね。

例えば、私の知っている後輩の大学教授などは言っています。会社にとって一番いいのは、モラルが低くて肩書きの高い人を利用して、そういう人に「牛乳がいい」と言ってもらうと、朝日、毎日、読売、NHKなんかにその話がいっぱい出てくる。日本人はブランド志向が強いから、信用しちゃうんです。

だけど、現実にそういう人の個人の生活を私は知っているのです。彼らはテレビでは牛乳がいいと言い、新聞には牛乳がいいと書いています。だけれども、自分はもちろん、自分の子供や孫には一滴たりとも牛乳は飲ませていませんよ。それは自分の子供たちは可愛いからでしょうね。

(参考文献:真弓小児科医院院長 真弓貞夫)