福田デンタルクリニックブログ

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つながるいのち(2)

つながるいのち(2)

食物と体のアンバランス

 

皆さんの方の中で身長が140センチ台の方はいらっしゃいますか。前の方は3人とも140センチです、素晴らしいですね。病気をなさらないと思うんです、3人とも。それは何故なのか、簡単ですよ。

私は数年前、小田原で、きんさん・ぎんさんと一緒になって写真を撮っていただいたのですが、きんさん・ぎんさんはもっと小さい。昭和20年代まで、日本人の平均身長は150センチ台でした。だから健康だった、病気にもならなかった、心がきれいだったということです。

例えば、良くない例かもしれませんが、日本人は非常に性能のいい、優秀な小型軍だったと思います。エンジンは内臓ですね。エンジンはそのままにしてボディだけを大型化したら、エンストを起こすのは当たり前でしょう。

例えば、今の小学校6年生は60年前に比べて、身長は平均で17.6センチも大きくなっています。体重が14.5キログラムも増えています。17.6センチの身長の伸び方。14.5キログラムの余分な体重に対して、それだけ余分なものを肝臓を解毒して体の外に出していかなくてはならない。そうなると、肝臓の負担はどうなるのか。戦前に比べて、肝炎とか肝硬変と肝臓がんが増えてくるのは当たり前じゃないですか。腎臓は、それだけ余分なものをおしっことして体の外へ出していかなくてはならないのです。

私が医者になった50年前に人工透析をしている人は、稀も稀、本当にごく稀でした。ほとんどゼロに近かったです。でも今は、順番待ちの状態です。急激に体が大きくなったために、それだけ腎臓が痛めつけられてしまっているということです。

もっと分かりやすいのが心臓です。体重が平均14.5キログラム増えた。心臓は、そこにも血液を流していかなくちゃならない。毛細血管まで入れると、体重1キロ増について、ものすごい長さの血管が必要です。今の小学校6年生は、戦前の小学校6年生に比べて、脈をとってごらんになれば分かりますが、1回脈を打つごとに、30メートルの14.5倍ですから500メートル分の血液を余分に心臓は送り出し続けていかなくちゃならない。

だから戦前にはほとんどなかった突然死とか、スポーツ中の急死などが増えてくるのは当たり前の話です。

そこで、今、国がきめている保健所がやっていることとか、学校給食の誤りとかに一刻も早く手を打たないと、子ども達の命がつながっていかなくなってしまいます。

 

結び(石塚左玄の言葉)

「1年間のバランス」ということを、明治時代の食漢豪で単医でもあった石塚左玄先生が一言で言い表しています。本来は、春・夏・秋・冬と年間を通してバランスが大事なんです。

それを石塚左玄先生がなんて言っているか「春は苦味、夏は酢の物、秋辛味、冬は油と心して食え」。

「春」苦味、山の雪が解けて川の水が澄んできたら、フキノトウやセリなんか美味しいですよね。そういうほろ苦いもの。

「夏」には、大体食欲が落ちます。カロリー計算のように同じじゃないんです。落とすんです。たんぱく質を減らすんです。夏は酢の物。

「秋」になったら、今後は冬に備えて、身体をピリッと引き締めなきゃならないから、多少辛いもの。秋ナスの田楽だとか、秋刀魚のおろし醤油をたっぷりかけて食べる。

「冬」になったら、人が住めない場所の寒さに似てくるじゃないですか、日本は。この辺なんかは、冬は相当寒いと思います。そしたら、油、肉を摂っても構わないんです。冬の間はですよ。ただし、牛の体温というのは、大体39度から43度あるんです。大人の体温は平均37度。39度~43度で溶けていた牛の肉を食べたら、37度の体では溶けないでしょう。だから皮下脂肪がたまってくるんです。寒さをしのぐのに都合がいいでしょう。だから、我々は冬になったら肉を食べてもいいんです。だたし7対1のバランスを壊さないようにして、その中の魚を引いた部分で肉を食べます。北欧やロシアは1年寒いから、彼らは一年中肉を食べていなくちゃいけないんでしょう。牛乳も飲んでいなくちゃいけないでしょう。寒いほうへ行けば行くほど、体が大きくなるのは当たり前でしょう。人だけじゃないですよ。この辺は熊は出てこないんだそうですね。もし、出てきたとしても、この辺はツキノワグマです。北海道にいけばヒグマになります。北極に行けばホッキョクグマ、どんどん大きくなります。この辺の海は、イルカとかせいぜいザトウクジラぐらいでしょう。北方洋へ行けば30メートル、40メートルのシロナガスクジラ。体が大きくなれば体表面積の割合が減ってきますから、寒さをしのぐのに都合がいいわけです。

我々だって60年前は、冬に肉をほんのちょっとですが食べていました。レパートリーも狭い、すき焼き、水炊き、焼き鳥なんていうのはせいぜい1本でしたね。今の居酒屋みたいに山盛りに串が出てくることはあり得なかった。そういった肉であっても、春になったら魚に代わってくるんですよ。魚は冷血動物じゃないですか。魚の脂肪は体に入ってもみんな溶けて出て行きますから肥満にはつながらない。ダイエットなんていうのは必要がなかったということですね。

「春は苦味、夏は酢の物、秋辛味、冬は油して食え」ということを元にして、その土地で摂れる季節の食べ物を食べていれば、栄養学なんていうものは一切要りません。そして大事なことは、ありがとうおじさんが言われたように、食べ物に対する感謝の気持ちを持って食卓を囲むということです。動物、植物、森羅万象の全ての命を頂いているわけですから、「これからその命をいただきます」ということで「命をいただいて今日も食べられました。」少しでいいんですよ、食べ物は、腹八分目・腹七分目、我々のような年寄りになったら腹六分目でいいんです。

「命をいただいてありがとうございました。ご馳走様」そういう感謝の気持ちを小さいうちからしっかり子どもに植え付けることが大切です。もう一つ大事なことは、箸をしっかり使う習慣をつけること。少しの食べ物で満足感を得るためには、よく噛まないといけないのです。噛むためには、素材が硬くて大きなもの。一口、口に入れたら箸を置く。我々が子どもの頃は、箸置きを使わない家庭なんか、なかったですよ。必ず箸を置いて、口の中のものがなくなってからまた次の一口を入れる。そういう習慣を早く定着させて、いい習慣を子どもたちに伝えていっていただきたいと思います。

(参考文献:真弓小児科医院院長 真弓定夫)