「歯周病は古代からあった」
「歯周病は古代からあった」
歯周病が身近な病気であったのは、実は今も昔も変わりません。
人類と歯周病の歴史はとても古く、旧石器時代のネアンデルタール人や 猿人の骨からも歯周病が見つかっています。
また、古代エジプトの王様のミイラを調べると、歯周病で歯を失ったと考えられる痕跡が認められています。
古代の人たちの歯の状況を調べてみると、身分が高く、裕福な食生活を送っていた人に歯周病が多く見られます。
これは歯周病が食生活と大きく関わっていることを示しています。
NPO法人 「健康情報推進機構」 理事長である斉藤さんは、弥生時代から現在までの食事を再現し、
その咀嚼回数(噛む回数)と食事にかける時間を計測しました。
弥生時代の食事を食べた際の咀嚼回数は6000回、江戸時代の食事は 4000回でした。
さらに第二次世界大戦の前と後の食事の咀嚼回数も調べており、戦前は2000回、戦後は600回という数値を記録しました。
咀嚼回数はどんどん減少し、食事にかける時間も短くなっていたのです。
現代人は弥生時代の人の10分の1しか噛んでいないことになります。
噛む回数が減ると、分泌される唾液の量も減ります。
唾液には口のなかをきれいにする働きがあると述べました。
唾液の量が減るほど口のなかは汚れたままになりやすく、細菌も繁殖しやすくなってしまいます。
今の私たちは、恵まれた食生活を送っています。
しかし、しっかり噛む必要のない食べ物ばかりを食べていると、虫歯や歯周病になりやすいかもしれません。